『ハッピーエンド』 Happy End

ミヒャエル・ハネケの新作『ハッピーエンド』(Happy End)を観てきました。
前作『愛、アムール』は再鑑賞もできないくらいつらかったけど、今回は一滴も涙流さずに鑑賞できます。

4506/24599″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>

涙はないけど、とっても不気味な作品でした…
(追記はネタバレあり)


『愛、アムール』同様、ジャン=ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールが父娘役で共演。
トランティニャン、「え、まさかの?」と前作とつながるようなセリフがありビックリ。

4506/24600″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>
Copyright Les Films du Losange

ハネケさん、来週誕生日で76歳。
SNSが浸透した現代社会を、ハネケ節で元気に斬っています。
踊り狂うカラオケとかよくわかんない時間も長いけど、
若ぶって無理やり作ってる感じはしなかった。

SNSでは思いの丈を事細かにアップするのに
家族には無関心。
ああこれってSNSの縮図だな、と思うともう不気味で不気味で。

技術が発達してSNSがどんなに拡散しても、
身近にいる人の心が読めないって怖いことだな。。。

エヴ役の Fantine Harduin(ファンティーヌ・アルドゥアン)ちゃんがかわいい。
メラニー・ロラン系の美形だ。大好き。

4506/24597″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>
Copyright Les Films du Losange

美しい分、余計に怖いんです。
静かで、何を考えているのかわからない。

エヴが後半「I★Japan」って書かれたTシャツ着てたけれど、
脚本は2005年に静岡県で起きた「母親毒殺未遂事件」からインスピレーションを得ているのだとか。
なるほど、それを知ったうえで観るとエヴは余計に怖いですね…

ビキニのパンツのお尻部分の裏地がちょっとはみ出てたり子供らしくてすごくかわいいんだけども。

2005年生まれだからエヴと同じく13歳くらいなんだけど、
見た目は幼く見えるのに、アンニュイさだけは大人。
SNSに打つ文字列が怖くて、でも普通になんの変哲もないYouTube見てるから、ほんと何考えてるのか…

カンヌの時のファンティーヌちゃんがもう立派な女優!!

4506/24598″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>
Copyright JACOVIDES-BORDE-MOREAU / BESTIMAGE

フランスのCalais(カレー)を舞台に、欧州難民危機を描く…とは聞いてはいたけど
主要人物(家族)は地方のブルジョワだからそこまで深く読み解けませんでした。

ラストのラスト、エヴが完全にSNS依存症(?)なシーンなんだけどもそれが妙に怖かったな…。
観終わった後にじわじわ、じわじわーっと怖さが。

でもなんだかんだ怖いのはエヴの父親のマチュー・カソヴィッツ。
無垢で不器用な男に見えて、なんなの。
ほんとなんなの。くせがすごい。

4506/24601″ target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>
Copyright Les Films du Losange

表情変えないユペール様も相変わらずだけど、この家族の中では人間らしかったような気がする。